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ここでは人工透析を受けるにあたって、仕事とどう折り合いを付けていくか、どう向き合っていくかについて記述していきます。
人工透析を受けている方が働くためにはさまざまな注意点を守る必要があります。ここでは、仕事と透析治療を両立するための注意点について紹介していきます。
透析患者の9割以上※が受けていると言われている血液透析は、週3日半日以上もの時間をベッド上で過ごします。腹膜透析もさまざまな制約を伴うため、週5日間のフルタイム勤務や出張が多い仕事だと継続困難なケースも出てきます。
※参照元:みはま病院(https://www.seijinkai.jp/mihama/department/dialysis/genin/)透析は体力が必要な治療です。また透析を受けている方の場合、一般的な方と比較すると免疫力が低下しているケースが多く見られます。免疫力や体力が低下すると、さまざまな感染症を引き起こす可能性があるため注意しなければなりません。
腎臓病にかかっている場合、見た目は変わらないことが多いです。一見すると健康そうに見られることがあり、周囲から理解を得られないケースも多々見られます。
同僚が忙しそうに働いていると、自分だけ休むことに気が引けてしまい、つい無理をしてしまう方も多いです。
シャントとは、動脈と静脈をつなぎ合わせた血管のことであり、血液透析をするうえで欠かせない存在です。もしシャントに異常が見られると再手術を受けなければなりません。
大切なシャントを守るため、血管を圧迫する行動を避ける必要があります。シャントのある腕で重いものを持ったり、圧迫したりすることは避けるようにしてください。
この章では、仕事と両立するために意識すべきポイント、活用できること紹介しています。
オーバーナイト透析とは、夜寝ている間に透析治療を行える治療法です。この方法は、日中に実施する透析より長い時間をかけるため、身体にかかる負担を軽減できるのが魅力でしょう。そして、オーバーナイト透析なら、日中の仕事に影響を与えず、透析治療と仕事を両立することも可能です。
しかし、オーバーナイト透析に対応している医療機関は少ないため、近くにない場合、夜間透析を利用するのも1つの手段です。
働きやすい環境にするためには、周囲の理解を得る必要があります。上司の許可を得ていても同僚が事情を知らない場合、早退や欠勤が続くと反感を持たれてしまうケースもあるため注意が必要です。
勤務先の同僚から理解を得るためにも、人工透析を受けていることを伝えて、よく話し合っておくとよいでしょう。
シフト制の場合、透析がない日や時間帯に出勤して働くことが可能です。また、フレックス制を導入している企業なら、透析日の出勤時間を早めておくと、夜間透析に合わせて早めに退勤できます。
障がい者雇用で働くと、仕事の両立しやすさに繋がります。
業務内容の配慮を受けられたり、通勤時間や勤務形態を相談できたりするほか、体調不良の場合にも柔軟な対応をしてもらえるなどのメリットが期待できます。
透析を受けている方は、就労に際してさまざまな支援を受けられます。いずれも透析を受けている方が受けられる制度ですので、利用を検討するとよいでしょう。体調が優れず思うように働けなくても、焦らず主治医と相談しながら進めていくことが大切です。ここでは、利用できる支援制度について紹介していきます。
公共機関であるハローワークや障害者就労支援センター、民間のNPO法人などで、透析患者と企業をつなぐ支援を実施する団体もあります。民間団体の場合、在籍している医師や先輩透析患者に就労や健康状態についての相談が可能です。
会社員や公務員が病気やけがで就労できず、給料が支払われないときに対象となります。療養期間中の生活を保障するためのものであり、健康保険から手当金は支払われます。
雇用保険に加入していた労働者(公務員や船員保険の被保険者は対象外)が65歳未満で離職して失業している状態にある場合、雇用保険から手当を支払われます。
参照元:全腎協透析を受けている方の場合、体力や免疫力低下についても考慮しておく必要があります。シャントの保護や感染症対策についても考えておくことが重要です。ここでは、さまざまな制約がある方でも働きやすい方法を紹介していきます。
仕事の継続が難しい場合、新たに学び直して、今の勤務先で業種を変更してもらうのも1つの手段です。
それが難しい場合は職種を選び直す方法もあります。透析をしている人にとっておすすめなのは身体的な負担が少ない仕事であり、以下のようなものが挙げられます。
人工透析は体力を使う治療法ですので、身体的な負担を伴う業務は適していません。シャントを守るためにも、重いものを運ぶなどの力仕事は避けることが大切です。そのほかには、細菌感染を予防するために清潔な職場で働くようにしましょう。
ワークシェアリングを導入すると、仕事を休んでも他のスタッフが仕事を進められる体制がされており心理的な負担が少ないと言われています。このような考えを取り入れている企業なら、働きやすさもアップすることでしょう。
フレックスタイム制やシフト制などの勤務体制が組まれている場合、都合に合わせながら柔軟に勤務時間の調整をしやすくなります。
リモートワークを導入している企業なら、透析治療と仕事の両立を図りやすいです。透析治療に対応しているクリニックの中には、ベッドではなく電動リクライニングチェアを取り入れているところもあり、透析を受けながら仕事ができます。
障がい者雇用で働くことは、仕事と両立するために重要なポイントです。人工透析の対象になると障害者手帳の取得が可能になり、障害等級は1級に該当します。
参照元:障碍者雇用バンク