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透析には血液透析と腹膜透析の2種類があります。
血液浄化とは、体液の是正や、病因物質の除去を目的とした治療法を指します。血液透析や血漿交換、吸着療法などの体外循環治療です。血漿交換療法は全身の血液から、血液透析療法と同じように体外に血液を循環させて血漿成分を分離し、病気の原因となる物質を除去する療法を指します。
ここでは、人工透析の種類や必要性、血漿交換などについて解説していきます。
参照元:東京大学医学部付属病院公式HP/血液浄化法の種類と適応
参照元:医療法人社団誠仁会みはま病院公式HP/人工透析とは?(血液透析と腹膜透析の違い)
人工透析とは、腎臓の機能不良によって合併症のリスクが高まっている場合に行われる療法のひとつです。一般的に、腎臓の働きが正常時の10%以下に低下すると透析療法の対象となります。
現在、国内には約33万人の透析患者(2016年12月31日時点)がいます。透析療法にはいくつかの種類がありますが、日常生活の運動レベルやライフスタイルによって選択されます。また、透析を始める前には導入のための手術が必要で、およそ1週間の入院が必要になります。
参照元:J-STAGE/日本透析学会雑誌・わが国の慢性透析療法の現況 (2016年12月31日時点)
通常、腎臓は体の中の老廃物をろ過し、余った水分とともに尿として体外に排出します。しかし、腎機能が低下している場合はうまく排出されずに体内に蓄積してしまいます。そうすると、尿毒症や水分過多による心不全のリスクが高まり、生命が脅かされることになります。そこで、必要とされるのが透析療法です。
透析療法は、血液中の余計な水分や老廃物を人工的に取り除き、腎臓に代わって血液をきれいにするための治療法です。血液を機械に通してきれいにする血液透析や、患者さん自身の腹膜を利用する腹膜透析などの方法があります。
血液透析を行うには、毎分200mlの血液をダイアライザーに送る必要があります。十分な血液流量を得るために、通常の血液透析では「シャント」と呼ばれる血液回路を手術で作ります。腕の動脈と静脈を皮下で直接つなげ、静脈に多くの血液が流れるようにして血管を太くするシャントが一般的です。透析治療を開始するには、シャント形成手術から2週間ほどの期間が必要です。
HDとは英語のHemodialysisの略で、血液透析と訳されます。血液透析は、腕の血管に針を刺し、ポンプを用いて身体から血液を取り出しダイアライザーと呼ばれる血液透析器に通します。すると、身体内に溜まっている老廃物や余計な水分を取り除けるのです。浄化された血液は、ダイアライザーで身体へ戻します。
一般的に血液透析は、週3日・1回4時間のペースで行われます。週4日は血液透析を受けなくて済むため、生活にメリハリができやすいです。透析日に来院するだけで医療スタッフにすべてやってもらえたり、コミュニケーションを通して社会との接点を持ちやすかったりするのもメリットです。
参照元:医療法人社団誠仁会みはま病院公式HP/人工透析とは?(血液透析と腹膜透析の違い)
PDは英語でPeritoneal Dialysisの略で、腹膜透析と訳します。腹膜透析には「CAPD」と「APD」の2種類あるのが特徴です。腹膜透析は、お腹の中に透析液を入れて、身体内で血液を浄化する治療です。
一定時間、お腹の中に透析液を入れておくと腹膜の細い血管を介して、血中の老廃物や不要な水分を透析液に移行します。その透析液を体外に排除すると、血液が浄化されるのです。
腹膜透析を行うためには、腹部にカテーテルと呼ばれる管を挿入する手術を行う必要があります。通院回数が月1〜2回と少なくて済むのがメリットです。毎日時間をかけて余分な水分や老廃物をゆっくり取り除くため、身体へかかる負担を軽減しやすいです。
食事ではカリウムについては制限が緩和されます。カリウムが豊富に含まれる野菜や果物、刺身などを極端に我慢しなくて済むというメリットも期待できます。
参照元:医療法人社団誠仁会みはま病院公式HP/人工透析とは?(血液透析と腹膜透析の違い)
PEは英語でPlasma Exchangeの略で、血漿交換と訳します。膜型血漿分離器と呼ばれるものを用いて血液から血漿を分離します。血漿中に見られる病因関連物質などを除去し、同等量の新鮮凍結血漿(FFP)もしくはアルブミン水溶液を補充するのです。
血漿交換を行うと病状改善が期待できる場合に実施されます。適応としては、肝臓の機能低下など、薬物治療のみでは十分な効果が期待できない場合に行われるのです。
※血漿は 身体に栄養や酸素を運び、炭酸ガスなどの老廃物を腎臓や肺などの器官に運ぶ役割を担っているのが特徴です。