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ここでは、オーバーナイト透析(睡眠中透析)のメリット・デメリットと、この方法を取り入れている東京都内のクリニックを紹介します。
住所 | オーバーナイト透析日 | 休診日 | 電話番号 |
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東京ネクスト 内科・透析クリニック |
毎週金曜日 | 日曜日 | 03-5615 -1566 |
かもめクリニック | 月・水・金 | 日曜日 | 045-228 -2212 |
横浜第一病院 | 月曜から土曜まで | 日曜日 元旦 |
045-453 -6711 |
オーバーナイト透析とは、睡眠中に7~8時間をかけて行う人工透析のことです。
睡眠時間を人工透析に当てられるため、時間を有効に使いたい人に人気の透析方法です。
また、長時間透析によるメリットを享受できるところも魅力でしょう。
けれども、オーバーナイト透析にはリスクも伴います。その最たるものが抜針事故です。透析中の寝ぼけなどで無意識に針を抜いてしまい、透析そのものが成立しなくなるだけでなく、生命の危険があります。
クリニックの対応としても夜勤対応となるため、信頼できるドクターが在院せずに透析を行うケースもあるようです。
また、追加料金が必要なクリニックもあります。入院費だけでなく個室の費用が加算されることもあり、継続した治療が必要な人工透析患者にとっては、重い負担になりそうです。
さらに、装着されている器具が気になってぐっすりと眠れず、かえって疲労感が増してしまう人もいるそうです。そのような場合は、夜間透析などの方法を検討した方がよいでしょう。
その中でも特に注目したいのが、日中の時間を有効に使えることと体への負担が少ないということ。
一般的な透析は日中あるいは夕方から始まるため、仕事をしている方だと早退しなくてはいけませんし、主婦の方だと家事が十分にできないなど困ることも多いです。
周囲も透析治療を行う人に対して嫌な感情を持つわけではありませんが、仕事や家族に対して引け目を感じることで精神的に負担がかかってしまいます。
そもそも透析の治療は体への負担が大きいので、そこに精神的な辛さが加わるのは治療の経過にも影響を与えるかもしれません。
オーバーナイト透析は、普通ならば寝ている深夜の睡眠時間を使って透析を行う方法です。
仕事があっても終業時刻までしっかり勤務出来ますし、食事や入浴を済ませてからで十分間に合うので、家事を終えてから透析を始められます。精神面の苦痛を大幅に取り除いてくれるので、ストレスを軽減した状態で治療が受けられるというメリットがあるのです。
また、透析は最低でも8時間ずっと寝たままの状態です。日中は血圧も変動しやすく不安定になるため、心臓をはじめとする身体全体にかなりの負担がかかります。透析後にはだるさも残り、すぐに通常の生活に戻れないのでQOL(生活の質)も低下しかねません。
オーバーナイト透析であれば、長時間の透析が可能なので時間あたりの除水量を軽減。夜間は血圧も安定しやすいですし、除水量が減少することで心臓や体への負担を大幅に軽減できると言われています。
治療の辛さを最大限まで減らせて、さらにQOLの低下まで防げるのはオーバーナイト透析を受ける上で大きなメリットのひとつになります。
オーバーナイト透析にはメリットがたくさんありますが、残念ながら上記のようなデメリットがあるのも実情です。
特にデメリットとなるのが実施可能な病院が全国でも30施設前後しかないということ。
病院によって設備は異なりますが、オーバーナイト透析は入院患者さんが増えるのと同じ状態になり、その対策として何かあった時に対応できる環境を整えておかなくてはいけません。
しかしながら、現在も医師・看護師不足が続いている状態なので、どうしてもオーバーナイト透析に対応できる病院は限られてしまうのです。
また、もうひとつ不可抗力的なデメリットを挙げるとすれば、オーバーナイト透析を受けるには「ほとんどの病院で条件とされている昼間の透析が難しく、オーバーナイト透析の必要性が明確にできること」が必須条件として挙げられます。
近くにオーバーナイト透析をしている医療機関があるとしても、「寝ながら透析できれば楽だから…」というだけで受けられないのはデメリットと言えますね。
他にも、介護を必要しない、合併症のコントロール状態が良好…などリスクマネジメントが出来ていることも条件となっているので、オーバーナイト透析を受けたい方は、事前に確認をしておく必要があります。
緊急時の対応が遅れるというデメリットは、自分でリスクを避けることが可能。
透析間に体重が増加していると、除水量が増えるため血圧が低下しやすくなるのですが、逆に体重や食事の管理をしっかりしておけば血圧低下による事故を防げます。オーバーナイト透析で重要なのが体重管理や食事管理になりますので、そこは否が応でもリスクヘッジが行なえます。
慣れるまで寝つきにくいというのは、オーバーナイト透析を受けるメリットと比較すればデメリットとは言い難いかもしれませんね。
数々のメリットがありますが、夜中の治療になるので、万が一何かトラブルが起きた時に気付かれにくいといったデメリットもあります。ですが、治療に入る前にしっかり準備をしておけば、事前に防げることなので、準備はしっかり行いましょう。
オーバーナイト透析をおすすめするのは、日中の時間を拘束されては困る人です。具体的には、以下のような人たち。
これとは反対に環境が変わると眠れない人には向いていないかもしれません。
通常の透析もオーバーナイト透析も向き、不向きがあるので何が一番いいかは一概には言えません。いくつか方法を試し、自分にあった治療法を選ぶことが大事です。
オーバーナイト透析を受ける場所は個室とは限らず、医療機関によってはカーテンの仕切りだけというところもあるので、他の患者さんの動きが気になったり、看護師などの話し声や医療機器の音で寝付けないということもあるでしょう。
ただし、普通の透析を受けている方で不眠の症状が出ていたり、睡眠薬を使用している方などは、逆にオーバーナイト透析を受けることで睡眠障害の改善効果が期待できます。
医療機関のデータでも、2人に1人の患者さんが睡眠に何らかの不具合があるとされていますから、睡眠障害がある方は向いていると言えるでしょう。[注1]
[注1]日本腎臓財団:特集 透析患者さんの良い眠りを考える[pdf]
オーバーナイト透析は睡眠時に行うので、通常の人工透析とは多少方法が変わります。会社に勤めている人でも仕事終わりに通院でき、出社前に家に帰ることができるので、日中の時間を有効活用できます。オーバーナイト透析を取り入れる多くの人は、日常生活に支障をきたしたくないのです。各病院によってスケジュールは異なりますが、おおよその流れをご紹介します。
8時間と聞いたら気が遠くなるように感じるかもしれませんが、体感としては1〜2時間程度。快眠できるのか心配する方も多いのですが、すぐに慣れるので特に心配はいりません。
治療できる病院の少なさから世間的に認知度はまだまだ低いですが、オーバーナイト透析には多くのメリットがあります。一般的な人工透析の治療と費用(保険請求)は同じ。
宿泊代や食事代が別途必要になる病院もありますが、金銭面の心配は特別いらないでしょう。オーバーナイト透析の治療をしている病院は非常に少ないので、近所で見つけられたらとても運がいいです。
特に昼間仕事をしている人は、仕事に差し支えがないというのは一番のメリットなのではないでしょうか?透析をしていることで日常生活に支障が出るのは避けたいもの。
なるべく普通の人と同じような生活を送れるようになるためにも、オーバーナイト透析はおすすめです。
気になった方は、ぜひカウンセリングだけでも受けてみてください。
このサイト内で紹介しているクリニックの中から、オーバーナイト透析に対応しているクリニックを50音順にご紹介します。(2021年8月時点)
画像引用元:腎内科クリニック世田谷公式HP
https://www.jinnaika.com/
オーバーナイト透析は毎週金曜日に実施。
透析における「2日空きのリスク」に着目し、就寝時を利用したオーバーナイト透析を提供しています。週の終わりに実施することで、水分や尿毒素がより多く蓄積した状態で透析を行い、前述した空白時間を短くするという工夫もしているそうです。
実施日の宿泊費は不要のため、費用面でも良心的。体調不良時は日中、または準夜透析に変更できるよう配慮されているほか、オーバーナイト透析経験者の方に関してはオーバーナイト臨時(旅行)透析も可能とのこと。抜針しないよう、徹底的に安全対策にこだわっているのも特徴と言えるでしょう。
TEL | 0800-111-4976(透析申し込み専用フリーダイヤル) 03-5969-4976(予約・お問い合わせ) |
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画像引用元:東京ネクスト内科・透析クリニック公式HP
https://www.tokyonext.jp/
日暮里駅から徒歩1分、透析ベッド43床と利用しやすい立地&規模の東京ネクスト内科・透析クリニック。
利便性第一をモットーに、シャワールームやロッカールームも完備。コロナ禍でも患者同士の距離を適切に取れる、広々とした待合室も特徴です。オーバーナイト透析は金曜日に実施されており、土日をより有意義に過ごしたい方にとっても良心的と言えるでしょう。
また、オーバーナイト透析に際しての別途自己負担はなし。BV計で循環動態を管理することにより、安全性や快適性にも配慮した透析が可能となっています。シャンプーやリンス、ドライヤー、タオルなども貸し出されているため、事前に宿泊準備をして行く必要もなさそうです。
TEL | 03-5615-1566 |
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東京ネクスト内科・透析クリニックについて
公式HPでもっと詳しく
睡眠時間中に透析を行うオーバーナイト透析は、目覚めれば終了している、拘束時間が少なく、睡眠障害の改善も期待される透析方法です。一方でこの透析の一番のリスクとされる抜針事故防止に対する態勢が不可欠であり、実施可能なクリニックが限られているのが現状です。
その他人工透析には夕刻以降に透析を開始する夜間透析や、合併症に対応可能な透析など、いろいろな種類があり、ここではそれらに対応可能なクリニックを紹介しています。透析に関する重要な基礎知識をすべてまとめてありますので、ぜひチェックしてください。