公開日: |更新日:
ここでは、長時間透析のメリットと、これを受付けている東京のクリニックをご紹介します。
長時間透析とは、8時間前後の長時間をかけて人工透析を行う手法です。
ひと昔前の透析は8時間が標準的でしたが、透析技術の進歩などにより、現在では4時間透析が主流です。拘束時間が短くなったことにより、健常者に近い日常生活を送れる可能性が拡がりました。
しかし一方で、一度に流れる血流の量が多くなるため、心臓への負担が大きくなることが懸念されています。長時間透析が主流だった頃に比べて、患者の寿命が短くなったという指摘もあり、特に体力のない人から長時間透析を行いたいという希望が多いようです。
また、新しい透析システムを使って長時間透析を行うことによって、より多くの老廃物を取り除くことができ、さまざまな不快症状を軽減できたという結果も報告されているようです。人によっては食事制限を緩和できる可能性もあるでしょう。
ただし、長時間透析には、追加料金が必要となる場合があります。病院の立場で見れば、ベッドを長時間占有する"回転の悪い客"なわけですから、仕方がない面もあります。また、多くの患者さんを引き受けている大きな病院では、管理面などの事情から引き受けられないこともあるでしょう。
長時間透析を検討する場合は、まずは引き受けてもらえるかを確認し、さらに、追加料金の要不要についてチェックする必要があるでしょう。
このサイト内で紹介しているクリニックの中から、長時間透析を行っており、さらに無料のテレビ視聴やWi-Fiを完備する透析クリニックを外来の診察開始時間の遅い順にご紹介します。(2021年8月時点)
画像引用元:東京新橋透析クリニック公式HP
https://www.toseki.tokyo/
夜間透析の利便性を向上し、患者のライフスタイルに合わせた長期透析を可能に。月曜日から土曜日まで透析を利用できる上、土曜日は朝9時から21時まで対応しているため、休日を有意義に使いたい方にも向いています。
快適性を追求した透析専用のリクライニングチェアを導入。各チェアにテーブルと液晶モニターを完備しており、テレビも自由に鑑賞できます。リモートワークも可能な⾼速Wi-Fiが用意されていますから、パソコンでの作業も楽々です。
エントランスはバリアフリーとなっているので、車いすの方でも移動しやすいはず。収納面も充実しているため、旅行や出張帰りにもそのまま立ち寄れるのではないでしょうか。
また、随時(旅行)透析を積極的に受け入れているのも特徴。完全予約制ながら柔軟な対応力で、患者の生活向上に努めています。新橋駅から徒歩2分と、アクセス良好なのも嬉しいポイントです。
住所 | 〒105-0021 東京都港区東新橋1-1-21今朝ビル7F |
---|---|
アクセス | 東京メトロ各線「新橋駅」より徒歩2分 JR各線「新橋駅」より徒歩2分 |
通院エリア | 港区(銀座、虎ノ門、京橋、日本橋)渋谷区(渋谷、代々木)、新宿区(新大久保、高田馬場)、北区(赤羽、王子)、荒川区(西日暮里、町屋、熊野前)、台東区(上野、御徒町)、千代田区(神田、東京)葛飾区(京成高砂)さいたま市、習志野市、成田市、川崎市、横浜市、山手線、京浜東北線、常盤線など |
電話番号 | 03-6274-6320 |
診療時間 | 外来診察時間月~金/17:00~23:00 土/9:00〜21:00 透析診療時間月~金17:00〜23:00 土9:00〜21:00 |
最終入室時間 | 18:40(月~金)※土曜日は10:00〜11:00 |
休診日 | 日曜日 |
予約方法 | 電話(申し込みはネットからも可) |
所属医師 | 内藤秀宗医師(理事長)/相川竜一医師(院長) |
対応言語 | 日本語 |
画像引用元:大井町駅前クリニック公式HP
https://oimachi-eki-cli.com/
日本透析医学会専門医の資格をもつ院長※をはじめ、医師や看護師、技師が連携した質の高い治療を提供。感染症対策を徹底した清潔感のある院内で、落ち着いて人工透析が受けられます。
※参照元:大井町駅前クリニック公式HP(https://oimachi-eki-cli.com/about/index.html#2)
水質管理や合併症の予防などから、ベッドの高さやマットの硬さ、空気の入れ替え、加湿、間接照明など環境面に至るまで、患者が快適に過ごせるよう細やかにこだわっているのが特徴。大井町駅西口より徒歩2分の好立地なので、多忙な方も通いやすいでしょう。
その他、オンラインHDFシステムや医療情報システムなどを導入し、身体に負担をかけにくい人工透析を工夫しています。
フリーWi-Fiも設置されているため、透析時間を有意義に過ごすことも可能。有料にはなりますが、テレビや食事なども利用できるようです。
住所 | 〒140-0014東京都 品川区大井1-49-15 YK-17ビル7階(旧アクセス大井町ビル) |
---|---|
アクセス | 京浜東北線大井町駅から徒歩3分 東急大井町線大井町駅から徒歩2分 りんかい線大井町駅A2出口から徒歩2分 京急本線青物横丁駅から徒歩8分 |
通院エリア | 品川区(品川、品川シーサイド、大崎、中延、戸越公園、下神明、鮫洲、青物横丁)、渋谷区(渋谷)、新宿区(新宿)、大田区(蒲田、大森)、千代田区(東京)など |
電話番号 | 03-3776-9611 |
診療時間 | 外来診察時間 午前/10:00-12:00 午後/14:00-18:00 透析診療時間9:00~9:30/17:00~18:00 ※土曜14:00~18:00、祝日15:00~19:00 |
最終入室時間 | 17:00~18:00(最終終了23:30) |
休診日 | 日曜日 |
予約方法 | 受付にて申し込み |
所属医師 | 田中勤医師(院長) |
対応言語 | 日本語 |
画像引用元:多摩永山 高田クリニック公式HP
https://www.nagayama-takada-cl.jp/
多摩永山高田クリニックは、近接する日本医科大学多摩永山病院と連携を行うことにより、合併症の治療や予防にも高度に対応可能。大学病院への紹介も受けられるので、様々な症状にお悩みの方も気軽に相談できます。
人工透析は、オンライン血液透析濾過(HDF)をベッド全台に導入。これにより透析中の血圧低下を防ぎ、かゆみや下肢のイライラなども軽減されると言われています。5時間以上の長時間透析にも対応しており、ライフスタイルに合わせた透析が可能です。
また、無料テレビやWi-Fi設備、読書、器具を用いたリハビリ運動などを利用できるのも嬉しいところ。ロビーでは食事もしやすくなっているほか、車いすや何らかの事情で通院しにくい方への送迎サービスも用意されています。
人工透析は月・水・金、火・木・土で診療時間は異なるものの、日祝以外は開いていますから、多忙な方でも時間を作りやすいのではないでしょうか。複数のバス停からアクセス良好な立地で、周辺地域にお住まいの方には特におすすめのクリニックです。
住所 | 〒206-0012多摩市貝取3丁目6番 |
---|---|
アクセス | 永山駅より徒歩19分 「南貝取」バス停から徒歩2分 「貝取小学校」バス停から徒歩1分 「瓜生緑地」バス停から徒歩2分 |
通院エリア | 多摩市(永山)、調布市(調布、京王多摩川)、八王子市、川崎市、相模原市、京王線、新宿区(新宿、新線新宿)など |
電話番号 | 042-400-5145 |
診療時間 | 外来診察時間9:00~12:00/15:00~18:00 透析診療時間8:30~20:00(月・水・金) 8:30~17:00(火・木・土) |
最終入室時間 | 要問い合わせ |
休診日 | 日曜日 |
予約方法 | 要問い合わせ(電話・24時間ネット受付あり) |
所属医師 | 高田大輔医師(院長) |
対応言語 | 日本語 |
画像引用元:田端駅前クリニック公式HP
https://www.tbt-toseki.jp/
腎臓の専門だけでなく、循環器や漢方、泌尿器科、内科を専門にしている医師も在籍する田端駅前クリニック。透析治療に伴って起こりやすいと言われる合併症を防ぐため、複数の医師が連携しながら透析治療にあたっています。
透析フロアでも使用できるよう、電子カルテを可視化。これにより検査データの確認や説明を患者に対してもしやすくなっているため、自分の数値を詳しく知りたい、こまめにアドバイスを受けたいという方にとって心強いでしょう。
夜間透析も23時30分まで対応しており、長時間透析も可能。長時間透析専用の時間帯も設けられているので、5時間以上の透析を希望される場合も信頼して相談できます。
透析を専門的に扱うクリニックということで、環境づくりに力を入れているのも特徴。フルフラットに使えるリクライニングチェアを導入しているほか、着替えやスリッパの貸し出し、専用Wi-Fiの提供などを行っているそうですから、透析中の仕事や作業も無理なく行えるのではないでしょうか。
住所 | 〒114-0014東京都北区田端1-21-8 NSKビル4F |
---|---|
アクセス | 山手線・京浜東北線の田端駅から徒歩1分 |
通院エリア | 北区(赤羽)、新宿区(新宿)、豊島区(池袋)、千代田区(東京)、港区(浜松町)、川崎市、横浜市など |
電話番号 | 03-3823-9060 |
診療時間 | 外来診察時間 透析診療時間月、水、金/8:30~23:00 火、木、土/8:30~16:00(長時間透析専用)/7:00~23:30 ※完全予約制 |
最終入室時間 | 4時間透析の場合、月・水・金は18:30、火・木・土は19:00まで |
休診日 | 日曜日 |
予約方法 | 電話(公式サイトにはメールフォームもあり) |
所属医師 | 個人名は記載なし(腎臓内科、循環器科、漢方、泌尿器科、内科) |
対応言語 | 日本語 |
長時間透析とは1回6時間以上の週3回を基本とし、週18時間以上の血液透析を行う方法です。普段腎臓は1日24時間働き続けているもので、その働きに近付けるためには一般的な血液透析の4時間程度×週3回よりも長時間透析が望ましいです。
長時間透析にはさまざまなメリットがあります。ただしその一方でデメリットもあるのでよく確認した上で選択するといいでしょう。
透析は腎臓の代わりに尿毒素や水を排出する方法です。自然な方法ではないため、従来の短時間の透析では透析不足になってしまうこともあります。6時間以上の長時間透析を行うことでより多くの尿毒素を除去し、負担の少ない除水が可能になるのです。水分制限は長時間透析でも必要になりますが、食事制限が改善されます。
ご家族と一緒にバランスの取れた食生活が送れるようになり、健康状態も改善されることでしょう。自由な食事をしながらも血圧をコントロールできるので、透析を続けることで引き起こされる高血圧や低血圧も回避できます。
そして十分な透析効果が得られることもあり、透析直後に起こりがちな倦怠感も軽減され、体調不良の回数も減っていくことでしょう。薬剤の使用量も減少しますし、それにより心臓への負担や透析アミロイド症などさまざまな合併症のリスクも軽減します。
実際のデータでは長時間透析を行うことで10年後の生存率が大きく向上する※という結果も出ています。これが最大のメリットともいえるでしょう。QOLを高めながら生存率もアップできることもあり、今注目されている透析方法です。
※参照元:Charra博士『Kidney International』1992年発行、「Survival as an index of adequacy of dialysis」
データでも表れているように、長時間透析を行うことで生存率が上がりますし、さまざまな合併症を避けることもできます。そのため本来なら多くの人におすすめしたい透析方法です。
ですが、デメリットもあります。デメリットは本来なら4時間程度で済む透析が6時間以上もかかってしまうという点です。仕事をしている方なら、週に3回6時間以上拘束されるわけですから、仕事にも支障が出てしまうでしょう。また6時間も透析し続けるのは精神的な負担も大きいでしょう。
そして長時間透析が可能な医療機関は限られているのが実情です。わざわざ遠くまで足を運ばなければいけない地域もあるでしょう。それが週に3回となれば、簡単にはいかない人もいます。
長時間透析によって、食事制限の緩和や様々な不快感を改善に導くことができます。患者さんの体調や都合に合わせて、夕刻以降に透析を開始する夜間透析や翌日にかけてのオーバーナイト透析に対応してくれる、東京近郊のクリニックは少なくありません。
長時間の透析に退屈しないように無料Wifiが利用できる、テレビカードを配布してくれるなど、患者さんへの配慮がされているクリニックもあります。さまざまな人工透析の方法があるので、身体の状態やライフスタイルに合わせて選びましょう。当サイトでは、人工透析の種類についてまとめているのでぜひチェックしてください。