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ここでは、オンラインHDFのメリットと、これを導入している透析クリニックをご紹介します。
HDFとは、Hemo Dialysis Filtrationの略で、「血液濾過透析」と訳されます。
一般に行われている透析は、拡散という現象を利用して血液内の老廃物を取り除く方法で、HD(Hemo Dialysis)と呼ばれます。
血液を身体から取り出し、中空糸膜(マカロニ状の繊維の壁の部分に分離膜としての機能を持たせたもの)の中を通しながら、その外側に循環させた透析液に老廃物を拡散させて取り除きます。
一方、濾過により血液内の老廃物を取り除く方法を、HF(Hemo Filtration)と呼びます。
身体から取り出した血液に補液し、圧力を加えて濾過し、老廃物を取り除きます。この方法では、圧力をかけるので、より大きな老廃物を積極的に排除することができます。
HDFは、HDとHFを合わせて行う血液浄化施術です。
HDFでは、従来の透析(=HD)では取り除けなかった大きな不純物も取り除くことができるので、かゆみ、しびれ、関節や骨の痛み、倦怠感や疲労感などの不快な症状を軽減することができます。
また、透析中の血圧が安定するので、患者さんへの直接的な負担も少なくなります。
ただし、非常に純度の高い透析液やHDF管理機能を持った透析システムなど、多額の設備投資が必要なので、なかなか導入できないクリニックが多いようです。
同じHDFでも、オフラインHDFとオンラインHDFでは、効果に差があると言われています。
オフラインHDFは、濾過のための補液を瓶やバックから供給するので、加えられる補液量は限られています。しかし、オンラインHDFは、透析液をそのまま補液として使用するため、濾過のために加えられる補液量が非常に多くなります。そのため、オンラインHDFの方がより多くの老廃物を取り除くことができると考えられます。
オンラインHDFはきちんと水質管理された水さえあれば、それほど複雑な治療ではありません。では、どのように施術されるのか、大まかな流れをご紹介します。
以上です。こうしてみるとすごくシンプルですね。オフラインHDFの場合は何度もボトルを付け替えなければいけないので、大量の血液を交換することは難しいのですが、オンラインHDFは補充液を直接利用するので大量の血液を入れ替えることが可能です。
従来の透析とオンラインHDFの違いにはどのようなものがあるのでしょうか?
どのような治療法かはすでにご存知だと思うので、それぞれのメリットとデメリットを比べます。
メリットを見てもらえればわかるのですが、今までのものと比べると優れている点が多いことがわかります。従来の透析にさらにろ過の過程を加えたものなので、当たり前と言えば当たり前です。
オンラインHDFが保険適用になったのが2012年のこと。それをきっかけに、オンラインHDFの施術を受ける患者が急増し、今では一般的な治療法になっています。年々その技術も上がってきており、水分バランスをしっかりと管理できる透析機器なども登場してきています。
また、分子量が小さい尿毒素を除去するのに適している従来の透析とオンラインHDFをうまく組み合わせた治療も可能です。
オンラインHDFは多くの人にもおすすめできるのですが、特におすすめは以下のような患者さんです。
従来の人工透析が体に合わなかった人にとってはオンラインHDFは救世主といった感じです。
反対に、血流量が十分に得られない方や、栄養状態が著しくない方、シャントの状態が良くない方には不向きです。
オンラインHDFは、言ってしまえば従来の人工透析の進化版だとも言えます。これまでの人工透析は、副作用を考えるとあまりにもデメリットが多く、改善が見られることは難しかったです。ですが、2012年から徐々に広まりつつあるオンラインHDFは明らかにメリットが多くなりました。
患者側からしたらメリットばかりですが、病院側からしたら大変なこともたくさんあります。体内に入れる補充液の管理が一番大変で、費用も手間もかかります。したがって、オンラインHDFの治療法を取り入れている病院もあまり多くなく、現状選択肢が少ない状況。
治療してくれる病院があまり多くない中でも、もちろん対応している病院はいくつかあります。オンラインHDFを行なっている病院を次の項目で紹介します。ぜひ、チェックしてみてください。
このサイト内で紹介しているクリニックの中から、オンラインHDFを導入し、最終透析時間の遅いクリニックを3院ご紹介します。(2021年8月時点)
画像引用元:南青山内科クリニック公式HP
https://tulip.clinic/
南青山内科クリニックは、人工透析をはじめ在宅透析、腹膜透析、旅行透析など幅広い手法を手がける医院。人工透析においてはより多くの老廃物を取り除くことができるとされるオンラインHDFを推奨しており、厳重な透析液の管理によって透析液の清浄化を心がけています。
透析の導入時、すべて外来(入院不要)で対応可能なのも特徴的で、多忙な方も利用しやすいのが特徴。希望すれば在宅での血液透析も相談できるほか、血液透析と腹膜透析の併用もOKです。月・水・金の夜間透析や土日の透析にも対応しているため、非常に心強いです。
診療開始時間 | 9:00~ |
---|---|
TEL | 03-6805-1836 |
画像引用元:渋谷笹塚HDクリニック(渋谷笹塚循環器HDクリニック)公式HP
http://sasazuka-clinic.jp/
笹塚駅から徒歩1分の好立地にある渋谷笹塚循環器HDクリニック。透析用水の品質や清浄化にこだわり、安全性の高い透析を提供できるよう心がけています。
オンラインHDFについては、すべての透析装置に採用。日機装製の専用透析支援システム『FutureNet Web+』とも連携し、質の高い治療をモットーに日々研鑽に励んでいるそうです。
最終透析開始時刻は18時30分と、仕事が終わってからでも無理のない夜間透析に対応しているのも良心的と言えるでしょう。Wi-Fi完備、インターネットコンテンツ配信、テレビ視聴可能、透析専用リクライニングチェアを採用など、透析中の快適性も重視しています。
診療開始時間 | 9:00~ |
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TEL | 03-5738-1501(フリーダイヤル0120-051-137) |
渋谷笹塚HDクリニック
(渋谷笹塚循環器HDクリニック)
について
公式HPでもっと詳しく
画像引用元:笹塚・代田橋透析クリニック公式HP
https://www.sd-touseki.com/
平成24年の保険改正に際し、新規開発されたオンラインHDF仕様のコンソールを導入。オンラインHDFを行っても問題ないよう水質にも細心の注意を払っており、毎月透析用水、および透析液の水質検査を実施した結果、すべての月で超純粋透析液(ウルトラピュア)の数値が得られたそうです。
透析においては「患者様の状態、希望を尊重」することを信条としている医院で、可能な限りその人にとってふさわしい透析を提供できるよう配慮しています。血液量モニター機能や再循環測定装置、高ナトリウム透析設備も全台に設置しているほか、超音波検査やレントゲン、AED、心電計なども揃っているので、様々なケースに対応可能と言えるでしょう。
診療開始時間 | 8:15~ |
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TEL | 03-5304-1131 |
HDでは取り除けない不純物を取り除くことができ、不快な症状がでにくいHDF。そしてより多くの老廃物を取り除くことができると考えられているのがオンラインHDFです。導入しているクリニックはそう多くはありませんが、メリットが多いのでまだ未体験という人はぜひ検討してみたい透析方法です。
その他にも、仕事帰りに通いやすい夜間透析や、透析を睡眠時間に当てられるオーバーナイト透析、ネットやDVDをリクライニングチェアで楽しめる透析などもあります。自分にあった透析を見つけられるよう、さまざまな透析を確認してみましょう。